リボン家族

自分の好きなもの、主にジャニーズや二次元に関して呟きます。

ヒメアノ〜ルの原作感想文

ヒメアノ〜ルの公開が間近なため、ここに原作感想文を記しておこうと思う。ネタバレ嫌な方は回避推奨。ただ映画の参考にしたい方はどうぞ。
原作は既読ではあったが、あの蜷川幸雄さんに認められていた森田剛くん主演の映画の原作本を改めて読んでみたくなったため、手っ取り早くAmazonで購入した。

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以下、ヒメアノの帯の映画宣伝抜粋。




日常の小さな幸せと隣り合わせの異常な狂気を殺人鬼・森田を通して描いた古谷実原作の『ヒメアノ〜ル』。ユーモラスで繊細な人間描写に定評のある吉田恵輔が監督を務め、映画初出演となる森田剛が深い闇を抱えるシリアルキラーを演じる。また殺人事件に巻き込まれる平凡な男を実力派俳優の濱田岳が演じ、作品にコミカルさと鬱屈した感情をプラスしている。
殺人犯の深層に迫る新機軸のエンターテイメント、堂々公開!

〜簡単なあらすじ〜
 最初は清掃員の岡田と安藤、可愛いカフェ店員のユカちゃんのありふれた三角関係がメインなんです。安藤さん(映画ではムロツヨシさんが演じる)が岡田くん(映画では濱田岳さん)にカフェ店員のユカちゃん(佐津川愛美さん)の事を調べるように頼むんですよ。しかし、ユカちゃんはストーカー(森田正一)の存在も気になっていて。
注→森田と岡田は高校の同級生で、岡田は森田が壮絶に苛められていた事を知っている。

ユカちゃんを通して再会。

岡田は本来、人の良い青年なのでユカちゃんは安藤さんよりも岡田の事が気になって好きになってしまうんですよ。
しかし、安藤さんの圧倒されるユカちゃんへの思いと「僕たち、親友だからね?」という安藤さんからの脅しにより(何故かチェーンソーを買ったことも匂わせる)、岡田は一旦、ファミレスにてユカちゃんに対して断りを入れるんですが、ユカちゃんはめげません。
「私は岡田さんの気持ちが知りたいんです。」
岡田「すっごくイチャイチャしたいです。」

あ、両思い?

ここまで森田はストーカーの脇役扱いです。
既にパチンコ店で知りあった男とパチンコ常連セレブから持ちかけられた旦那殺人計画を実行しようとしていますが、まだまだ岡田メインです。
2巻の冒頭ぐらいまではラブストーリーかも、なんて淡い期待も。

しかし、既に次の話から森田と共に過去に苛められていた和草の話になります。和草の親が経営しているホテルの経営資金を森田にお金を振り込むために流用してしまっています。
(1巻で森田は和草にユスリをかけて良い金ヅルとして利用している)
そのユスリの原因は、河島と高橋に苛められた森田と和草には秘密があり。
森田「河島をつかまえたよ。」
         「一緒に殺そう」
高校の卒業式の1週間前に彼は和草にそう言い、森田と和草は国道から少し入った森で鉄パイプで殴る蹴るなどして殺してしまうわけです。
遺体は森の中。

これが和草が森田にゆすられていた秘密。

一気に気持ちが鬱になってきました。
重すぎて、15歳未満の方が見れなくて良かったと。

ここで話は岡田サイドに一旦チェンジして、安藤さんの恋愛観の話や風俗体験記や、ひょんなことから家出少女と暮らしてしまったり等、ユカちゃんの事は安藤さんはこの時点でもう気にしてないんです。
熱しやすく冷めやすいのか惚れっぽいのか。

そして、安藤さんがユカちゃん諦めたから岡田とユカちゃんは正々堂々と付き合うことが出来るのではと思いきや。
話が森田サイドにチェンジし、森田がパチンコ店で出会った男(セレブの旦那を殺そうとしていた殺人計画の共犯)を殺してしまい、和草に山に遺棄するのを手伝って貰っています。
森田は殺人で快楽を感じると、俺は病気だと和草には告白しています。

そして、ユカちゃんを狙っている理由は中学時代の音楽の佐伯先生に似ているから。
首を絞めて顔が青白くなるところを想像して……。

読んでるだけで心が疲弊していきます。うん。

3巻は安藤さんの恋愛観メインです。
好きになった女の子の為に奮闘したり、同僚の山田さんに嘘をついて好きですと告白して、そのうち本気で好きになったのに、山田さんが地元のお見合いで知りあった歯科医と結婚してしまったり。人間描写のリアリズムが凄くて、ここも見逃せませんでしたが。

特筆すべきは25話の「森田なりの悩み」です。
彼の選択肢
1.捕まって病院に送られるか
2.ご迷惑をおかけする前にさっさと死んでやるか

救いようがない悩みですが、彼はユカちゃんを殺す目標を諦めていません。

29話の「実験開始」では、知らない人を殺したことがないから殺してみようかなと言っています。結果、未遂でしたが。
そして、とうとう岡田とユカちゃんが付き合っている事実が森田にばれてしまい、森田はユカちゃんの前に岡田を殺そうとします。

和草ではなく街中でスカウトした男を運転手として雇い、山に埋める計画を立てました。
和草は、過去の過ちを悔いて自首をしようとするのですが、和草君の彼女が2人で森田を殺す提案をして、まあ、襲撃に行くわけですけど、悲しい結末で。

ここまでが3巻ラストから4巻冒頭です。

ここで一息つきたいと思っていたところに安藤さんの恋愛話が挟まれます。
今度は二度と恋愛をしないと決めてジムに通います。ムロツヨシさんが鬼頭のような髪型をしたのはこの辺りの話です。

一見、冷血そうな美人インストラクターが何故か安藤さんに惚れます。え……。
この美人インストラクターはなんだか少し変わった価値観の持ち主なので、安藤さん側から拒否をしてしまうという。

4巻での森田は冒頭で2人殺し、知りあった女性を1人殺して今度は殺した女性の家に居着きます。

怖い。

5巻では安藤さんは葛藤の末、美人インストラクターとお付き合いします。
彼の思考回路は独特なので是非、安藤さんが気になる方は原作本読むことお勧めします。

まあ、内容が内容ですからね、読めそうな方は。

一方、森田は前巻で殺害した女性の家に居着き家の物を質に売りながら暮らしています。
(金ヅルの和草も今は亡き者になり、自分のアパート自室には和草と彼女の遺体を放置した為に)
ここで新たに漫画家が登場人物として出てきてカフェで長時間プロット練っている間に森田がユカちゃんのストーカーであることに気づきます。そして、彼は岡田留守中に岡田の部屋に森田がナイフを持って佇んでいたことを手紙で岡田に教えます。
彼は森田の怪しい行動を突き止め警察にも伝えます。ですが単身乗り込んできた警察官は……。

はあ、苦しい。

そして6巻。岡田はユカちゃんと自身の安全の為に職場移動を決断します。
ここがターニングポイントになっていたのか、どうなのか。
森田は警察官に勝ったという優越感で行動をエスカレート。

こんなところですかね。
結末は映画で見ていただきたいのでこのブログでは書きませんが、アイドルって素敵だなって、森田剛くんの演技見てみたいだけでは、正直キツイと思いますので、みなさん、それなりに予習なり覚悟なりしていったほうがよいかもしれません。

博多の舞台挨拶付き先行上映で現場のレポートで退出者10人と書かれてましたから、持病がある方ですとかグロの表現が苦手な方は御一考ください。(舞台挨拶のくだりは秦さんという方のツイートレポを参照させて頂きました❕)

私も得意な方ではありませんが、なんとか、見たいと思っています。
現代社会を容赦なく描いたのがこの原作本だと思うので。この世界観が映画でどう監修されたのか気になります。